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海女、という生き方

『海女は仕事じゃない。ライフスタイルなんだよ。』

夫はそう教えてくれました。

 

海の神様や先祖を敬い、畑を耕し、海で獲物を獲り、家族を養う―・・・

女性として、妻として、母として。女性が女性らしく生きる事を諦めずにしっかりと収入を得て自立する事が出来る生き方って、時代が変わった今でもまだまだ難しい。会社でキャリアを積みたいと考えて我武者羅に働きながら、ずっとそう感じていました。

 

そんな時に夫に出逢い、彼を通じて「海女の生き方」を知りました。

 

『仕事も家庭も諦めなくていい』『少ない時間で大きく稼ぐ事が出来る仕事』『男性よりむしろ女性の方が身体的にも海女に向いている』― 仕事で成功するには同僚の男性社員に負けてはいけない、彼らの何倍も頑張らなくては認めて貰えないのでは無いか・・・そんな風に常に気を張って働いてきた私にとって、海女の仕事、もとい生き方を知った時の衝撃はまさに『目から鱗が落ちた』気持ちでした。

そして同時にそれは私だけではなく、バリバリ働きながら子育てもしたい「現代女性にこそ相応しいライフスタイルなのではないか」と考えるようになりました。この日を境に、自分の中で(いつか海女になってみたい)という想いが芽生えるようになりました。ダイビングの経験も無い、全くの素人でしたが、今すぐでなくてもいいから、いつか・・・そう考えるようになりました。

でもまさか、自分が大好きな仕事を辞めて二十代で海女になるなんて、その時は想像もしていませんでしたが(笑)人生とは本当に不思議なものです。

 

海女になってもうすぐ3年。知れば知るほど興味が尽きない、海女の世界。海の世界。

彼女たち一人一人の生き方を知る事が、自分が自分らしく生きるための大事なレッスンになる。そう思いながら、慣れない海の仕事に通う日々です。

伝統・文化

海女は信心深い。

地域の祭りごとから先祖代々の墓守、日々の習慣まで。彼女たちの考え方や小さな癖に伝統と文化が脈々と受け継がれてきた事を感じ取ることができる。

チームワーク

獲った分が自分の収入。でも、一人じゃ出来ないのが海女の仕事。仲間であり競争相手。でも皆すごく仲が良い。同じ苦労を共にしてきた”絆”があるからなんだろうか。

潜る・獲る

一度の潜水で息をこらえられるのは平均50秒。意外と短時間。回転良く潜っては浮上するのがコツなんだとか。潜る深さも人それぞれ。自分に合った磯場と潜り方で操業している。

 


海女小屋

小屋の中央にある囲炉裏で火を焚き、火を囲んで昼食を取ったりおしゃべりをしたり、着替えをしたりする場所。仲間意識が強くお互いが家族のような存在になる。

収入

よく「海女は給料制?」なんて聞かれるけど、完全歩合制。獲れなかったら収入ゼロ!でも上級者は一日に5万円以上稼ぐ事もあるくらい人によって全然違う。実力主義の厳しい世界。

課題

獲物の減少、不安定な収入、海女の高齢化、後継者不足、漁村の過疎化、インフラの不整備、若い人が町からいなくなる事で伝統行事の存続が困難になるなど課題は多い。